正月にテレビで太神楽の染之助・染太郎兄弟を見なくなって久しい。兄の染太郎さんが亡くなってからほとんど染之助さんを見かけていないのだ。このご兄弟、最初はちゃんと『海老一染太郎(兄)・染之助(弟)』と名乗っておられた記憶があるのだが『お染ブラザース』とか言われてブレイクしだした頃から『染之助・染太郎』になったような気がする。まあ、そっちの方が語呂がいいからだろうね。
見事な曲芸を次々披露する染之助さんに対して、そばでただ盛り上げているだけの染太郎さん。そしておなじみのフレーズは「これでギャラはおんなじ〜」だった。しかし、実はマネージメントの一切は染太郎さんが行なっていて、染之助さんは明日どこに行くか聞かされているだけの状態だったという。だからギャラが同じなのは当然だったのだ。
それにあの芸を行なっている間、染之助さんはほとんど喋ることができない。そこを巧みにフォローし、場の緊張感を和らげ、上手く盛り上げていた染太郎さんの話術があってこそ明るく楽しい曲芸になっていたのだろう。まさに二人で一つ。
もう一回あの華やかで罪も毒もない、パーッと明るくなる景気のいい曲芸を見てみたいなあ。