朝にBSでやっていた『ぼのぼの』の映画を見て地味に感動してしまった。原作ももともとちょっと哲学的だったりシビアだったりする作品なんだけども、原作の簡素なつくり(これはこれで面白い)より少し凝った感じになっていた。尺が1時間あるので仕方ないよね。夏休みの少年が些細で重大な体験をして少しだけ成長するような、夏の匂いのするお話でした。
登場するキャラは動物だけど、人間に完全に置き換えられるようになっていた。本当はとても優しいのに生い立ちのせいで地域社会から誤解されて孤立している少年(もちろん動物)や、その父親(これは人間だと完全にヤクザだと思う)。大人は色々偏見を持っているが、ぼのぼのにはその父親が寡黙で陰がありながら優しい人に見える。もちろんそれは人を見る目がまだ幼いせいもあるけれど、それが許されるのが子供の特権なのだろう。父親はある日命を落とすのだが(たぶん抗争だろう)、そこからの展開はちょっと涙が出そうになった。
あと昔から好きだったスナドリネコさんのキャラがやっぱり絶品。スナフキン系の性格でほんといい男だ。誰とも馴れ合わず一定の距離を置いているが、近づく者をやたらに拒んだりしないし、子供を子供扱いしないで誠実に接する。クールだがドライではないのだ。かっこいいなあ。