私が毎日利用しているマーケットのそばに、ごく細い路地がある。路地というか通路かもしれん。というのもその奥がとある住宅の玄関になっていて、ほかに建物がないのだ。つまりその家に用事がある人しか出入りしない通路ということである。で、たぶん間違って入ってしまう人がいるのだろう、その通路にはロープが何本も張られていて『ここに入ったらアカンよ』アピールをしている。当然私は近づいたことすらない。
今日の夜、そこを通りがかったらそのロープの下をくぐるように年配の女性がぬっと出てきたので腰を抜かしそうになった。周囲は結構暗く、またその女性が白い服を着ていたのでそれだけが浮かび上がるように見えて本当に驚いたのだ。第一そこから人が出入りするところを私は見たことがなかったのだ。私は驚くとものすごく変な声を出す癖があって(過去には「イーーーッ!」「ウヒィィッ!」など)、今日も「キュイーーー」みたいな、なんとも形容できない声を出してしまった。
女性はすごく済まなさそうに謝ってくださったが、私こそ勝手に驚き奇声を出してしまい何となくいたたまれない気分になってしまった。ごめんよほんとに。