2006年01月28日

田中恭吉

私は今、田中恭吉という画家に大変心惹かれている。田中恭吉のことは高校生のときに知っていて、そのときから好きな画家だったけれど、ここ一ヶ月ほどの間に急に恭吉熱が高まってきたというか、常に頭のどこかに恭吉の存在がある状態が続いている。

田中恭吉は、肺結核のために23歳で亡くなった画家で、萩原朔太郎の詩集『月に吠える』の挿画を担当し絶賛を浴びた。刊行されたときに彼はすでに亡くなっており、彼自身がその評判を聞くことはなかったが、その作品がもたらすインパクトは今なお鮮烈なものがあると思う。

恭吉の作品は、どれもとても不安そうな歪みがあり、胸の詰まるような切なさをたたえている。透明な生々しさといえばいいのか、儚げで触れるのがためらわれる程なのに、目を離すことが出来ない引力がある。決して明るく健康的な絵ではないので好き嫌いがあるとは思うが、私はとても彼の絵が好きである。そして私は彼の絵の前に立ち止まったままでいるような錯覚をずっと抱いているのだ。

彼は遠からず訪れる自分の死を見つめつつ、決して諦めることはなかったようである。心から愛する親友への手紙には、健康を取り戻す決意を率直に述べている。受け容れつつ諦めないその姿勢を、私は尊敬する。


posted by まる子 at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 好きなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。