2006年05月05日

一千一秒物語

ここ数日『バグダッド・カフェ』ばかり繰り返しビデオで見、ムーンライダーズの『カメラ=万年筆』ばかり繰り返し聞いているまる子ですこんばんは。このアルバム全曲すごい疾走感なのに疲れないから大好き。

本をあまり読まなくなってまずいなあ…と思っている私だが、近頃は稲垣足穂の『一千一秒物語』を読みかえしている。最初に買ったのはたぶん高校卒業するくらいだったと思う。大好きで尊敬していた先輩(ちなみに女性ね)が足穂をよく読んでいたので興味を持って読むようになった。

稲垣足穂の作品って長編小説はどうにもこうにも読みづらい。ストーリーそのものが独創的すぎるということもあるし、レトリックもほかに類を見ないほど個性的なので、読み手の想像力のスペックが高くないとしんどい作品が多いのだ。私ははっきり言ってついていけない作品がほとんどだった。『星を売る人』は大好きだったけどね。

しかし、表題の『一千一秒物語』は10行以内の作品が多く(中には2行なんてのもある)、使われている単語もシンプルで読んでいてとても楽しい。ジャンルは一応ショートショート集になるのだろうけど、個人的には色とりどりの不思議な細工をあしらった小物達に見える。

色んな作品があるが、根底に流れているのはありとあらゆるものが人工物であるという無機的なイメージである。ブリキでできた月や星、ガス灯、曹達水、薄荷水、キネマ(シネマではない)、ホーキ星、懐中時計、花火…などなどがキラキラと小さな夜の空間に精密に無邪気に配置されているマニエリスティックな味わいと、人工物だけが持つ儚さがたまらない。





posted by まる子 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍(マンガ含む) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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