2007年08月19日

スミヤキストQの冒険

携帯用のメモリーカードを買ったので、そこに手持ちのCDの曲をゴソゴソ取り込んでいたら予想外に時間がかかってしまったまる子ですこんばんは。こういう『一つ一つは短時間で済むけど、まとまると結構な時間になる』作業ってたいてい予定時間をオーバーするんだよなあ。プリンタで印字するのとかさ。私が時間を読むのがヘタってのもあるんだろうけど。

ある時点で「これちょっとほしいな」と思い、「だけどまあ今じゃなくてもええやろ」などと先送りにしている間にそれが市場から消えてしまい「バカバカバカバカ俺のバカ!何であの時買わなかったんだ!」と後悔することが私にはちょいちょいある。その一つが、高校時代に図書館で二回連続で借りて読んだ、倉橋由美子の『スミヤキストQの冒険』である。

実は食い意地の張った私は最初タイトルの『スミヤキスト』を『スキヤキスト』と読み違えてしまい、すき焼きが大好きな主人公が出てくるのかと思って借りてしまったのだ。倉橋由美子に関しての知識はゼロで(今もゼロに近い)、エッセイ的な話だろうかと思ったりしていたのだ。

読んでみると内容は全然違っていて、完全に非現実的な空間の話なのだが、しかし自動車が空を飛ぶとかそういう非現実ではないのだ。一つ一つの要素は現実に存在するものなのだが、配置の妙というか、全てのものに乾いた硬質なゆがみがあるのである。主人公は孤島にある感化院に派遣されたQという男で、タイトルにあるようにスミヤキ党の党員であり、工作員である。感化院に収容されている少年達をオルグするのがどうやらミッションのようだ。

で、その孤島の中でQは孤軍奮闘するのだが、昔に読んだ作品の上にストーリー展開があまりにも奇天烈なので上手く説明できない。ただ、出てくる人物みんながそれぞれ決定的に歪であり、それなのに感情的なしがらみ等は一切描写されない。文体もそうなのだが実にドライで風通しがよく、湿り気がないのだ。

私はグロテスクなのにドロドロしていないその小説世界が大変気に入って、ぜひ買わねば…と思っているうちに時が経ってしまい買いそびれてしまった。あ〜しまったなあ。今読めば多少印象も違ってただろうに。


posted by まる子 at 01:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍(マンガ含む) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
気になったのでネットで調べてみましたら、中古ならまだ手に入るようですよ〜。某密林で検索するとハードカバー・文庫とも数冊候補が上がってくるみたい。
倉橋由美子さんの文体って独特なドライ感がありますよね。特に「残酷童話」のシリーズでそれを実感した覚えがあります。
「スミヤキスト」やっぱり一瞬「スキヤキ」に見えた私も食い意地が張ってるっぽい(笑)。
ちょっと読んでみたいなあ。
Posted by あくつ at 2007年08月19日 12:22
おお、まだ入手不可能になったわけじゃないみたいですね。中古に望みをつないでみようかな。
倉橋由美子は『パルタイ』で挫折して(笑)、『スミヤキスト〜』しか読めてないんですが、強靭でドライでものすごく硬質な文章ですよね。夏になると読みたくなるのはあのドライさが心地いいからでしょうね。
すごく不思議だけど難解ではないので、もし機会がございましたらぜひご一読を。
Posted by まる子 at 2007年08月19日 23:54
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