2008年02月16日

楳図かずおの500のこと

ちょっと気になって以前オシャカになったファンヒーターを動かしてみたら、何の問題もなく作動したので拍子抜けしたまる子ですこんばんは。数週間前にうんともすんとも言わなくなったのは何だったんだ。過酷な労働に耐えかねてサボタージュしたのか? まあとにかくちゃんと動くようなのでストーブからファンヒーターにスイッチしようとしたらすっかりストーブ党になってしまった家族から反対されてしまったので、結局ストーブが続投することになったとさ。

昨夜『ガキの使い』でやっていた『楳図かずおの500のこと』は大変興味深かった。いつも思うのだが、ガキの使いって絶対ゲストのイメージ戦略に乗っからないし、接待は一切しないよね。どんなに大物だろうとどんなに無名だろうとスタッフだろうと扱いは一緒。その人物自身の面白さにしか関心を示さない姿勢を貫いていると思う。笑いをとるときに現場での人間関係だとか、芸能界のヒエラルキーに頼らないの。常にフラット。独特の温度の低さの要因はそこにあるのかもしれない。

で、楳図かずお氏に対してもそれは同じで『不世出の才能を持つ漫画家』もしくは『善良だけど空気を読む気のない扱いにくい人』という彼に対する一般的な見解は一切示していなかったように思う。彼もあの番組内では単に『ものすごく面白いオッサン』でしかない。それがあの番組のルールなのだろう。そして誰であろうとルール変更は一切なされないのだ。

そんな構造もさることながら、楳図氏自身のとてつもなさはやはり面白かった。一問一答形式でパーソナルなことに答えてもらい、その回答をレギュラーメンバーが推理するという内容なんだけど、ぜんっぜん予測が立たないのね。回答の傾向が見えない。ざっくり言えばブレまくるんですよ。「漫画家以外になりたかった職業は?」との問いに「やっぱり海賊!」と答えたり、「浜田の第一印象は?」と聞かれて「うーんとね、釣り師」と言い意表をつきまくるかと思えば、「欠かさず見ている番組は?」には「水戸黄門」と答えるし「背中に乗りたい動物は?」と問われると「ラクダ」と即答する。奇妙奇天烈さと凡庸さの間をすごい勢いで行ったり来たりするのだ。

楳図氏は自分をことさらに変人だと見せる気はないのだろう。もし変人だと思われようと計算しているならば「ラクダ」なんてありきたりなことは絶対に言わないはずなのだ。でもだからこそ楳図氏は真の変人なのである。変人の自覚がなく、なおかつ変人でいることに興味を持たないことこそ変人の条件なのだ。生一本で変。それはある種の才能だろう。

普通は個人的な質問にどんどん回答していけば、その人の人となりはごくわずかにでもわかってくると思うのだが、楳図氏はその逆。答えれば答えるほどわからなくなっていく。計算している変人は回答を重ねるほどその変さの方向性を読み取られてしまうもの(それが作った変人の限界なのだろう)だが、真の変人はやはりそうではないのだな、と感じ入った次第である。


posted by まる子 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(2) | テレビ(CM含む) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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